2025/01/16 18:19
Tシャツプリント業者や印刷サービスでは【印刷業者向けに作られた無地ボディ】を使用しています。
印刷業者の事業の根幹は 同じ物を大量に安定して印刷すること により成り立っているため
印刷業者向けの無地ボディ以外には使用することが出来ません。
それにより、北海道のプリント屋でも沖縄のプリント屋でも東京や大阪のプリント屋でも
ネットやアプリのプリントサービスでも、作れる物がどこも全部同じ物しか作れない という状態になっているのは
印刷業として、それ以外の選択肢を取れない という根本的な問題があります。
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◆どうして印刷業者は既定の物しか印刷に使用しないのか その①
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プリント屋さんようの無地ボディはみんな使ってるんだから
『ユニ●ロとかNI●Eとかの無地っぽいウェアを使えば良いんじゃない?』
アパレルメーカーやアパレルブランドが
販売している商材への勝手な印刷や施工による改変は基本的にNGです。
有名な所では Cha●●ionは自社の服に印刷することは、かなり厳しく取り締まっています。
商材の改変/販売等へは賠償請求も辞さない規定となっており
gu●ciなどのハイエンドなブランドもヴィンテージ古着のいわゆるブートTeeにも、その卸/販売元への賠償請求も対象としています。
・無地のウェアだとしても勝手に使ってよい物ではない
・印刷サービスの商材として使用しても良いボディを探すことは容易ではありません
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◆どうして印刷業者は既定の物しか印刷に使用しないのか その②
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持ち込みのボディの依頼は【受け付けない印刷業者が9割以上】
その理由は
1、訴訟問題に巻き込まれたくない
その①での通り、内容によっては訴訟問題に発展しかねないので受付が出来ないという事が第一にあります。
既存ウェアに名前を入れたいといった程度のことであれば訴訟や注意勧告を受けるといったことは起きないとは思いますが
もし、その持ち込み主が「自分に頼めばNI●Eのウェアにオリジナルのプリントが出来るよ」といった触れ込みをしてしまうと
他社商材を無許可で使用したサービス=不当なサービスで利益を得る行為、または広告効果が発揮されている行為とみなされ
権利侵害や著作の無断使用に該当する可能性があります
2、持ち込みのボディは印刷に不向きな生地の場合が多い
例えばレーヨン、ナイロンやベロアも印刷には不向きで ジーンズ生地や目の粗いキャンバスなども印刷手法を選びます
コットン製品であっても、ギチギチに目の詰まったツイル生地はインクを弾いて滲んでしまったりします
3、持ち込みボディは耐水加工や耐汚加工などの処理がされている場合がある
持ち込みのボディは印刷などの施工をすることを前提に作られていません。
新品のウェアは生地自体に加工処理が施されているものなども多く 生地を染めている染料によっては
一回着たら印刷が剥がれたり、ポロポロ崩れたり そもそもインクのノリが悪くボヤっと滲んでしまうケースがあります
一切保証できない施工を受けることになってしまいます。
4、印刷機材が壊れたり、汚れたりする
【3】での通り、一般のウェアは印刷などの施工を前提に作られていないので
融点の引くい具材が使われていたり、見えない所にあるボタンやチャックや切り返し、
そういった物がプレス機や印刷機材のヘッダーを汚したり、傷付けてしまう事があります
たった1件の持ち込み案件のために高額な機材を傷めるようなリスクは冒せない、という事情があります。
5、着用済み衣類や 古着の持ち込みは【絶対にNG】
古着屋さんの古着は洗濯と特殊な香料で臭いを消しています。
古着ではない衣類も洗濯済みの服は臭いがしないように感じますが
高温処理をかけると着用済みの古着などは激しい悪臭を放ちます。
臭いが取れないような激しい悪臭を放つものもあり、他のお客様の商品にまで臭いが付いてしまうため
古着の印刷は絶対にNGとしています。
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◆どうして印刷業者は既定の物しか印刷に使用しないのか その③
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『最近は 海外の激安服の通販サイトもあるし、そこで激安の無地服を仕入れて印刷に使えばいいんじゃないの?』
近年では海外の激安通販のアプリやサイトが目立ってきましたが
そういったサイトではZA●AやG●Pの商品の画像が使われ、当たり前のように偽物が平然と販売されています。
クレジットカード情報を抜かれる、ゴミのようなアイテムが届くといった評判もあり
そういった激安商品を生産/販売している特定地域の労働者が1年中休みなく奴隷の様に労働させられているといった問題もニュースになり、そういったサイトを仕入れ先にすることは倫理的にもリスク的にも許容できるものではありません。
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●まとめ:
印刷業者は印刷業者用の無地ボディのカタログから仕入れるしかない
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印刷業者も自社でボディを用意できるようになれば良いのですが現実的ではありません。
自社でボディを用意するだけで、そこには大きな予算とロットと期間が必要になります。
そうやって労力をかけて用意したボディでもオーダーが入らなければ全て不良在庫になり一気に経営を圧迫してしまいます。
かといって、先ほどのような怪しい激安サイトのような経路で激安ボディを仕入れれば粗悪品をつかまされたり、事故率が高い物に手を出すことになってしまいます。
結果、印刷業者向けに作られている無地ボディメーカーさんのウェアが一番信頼でき、在庫を持つ必要もないため
一般的なプリントサービスでは 印刷業者向けの無地ボディ以外の施工は行わない(行えない)というのは
経営上仕方のない部分ではあります。
そこで、BANANAPRINTではアーティストのマーチャンやテナントの小売り品のアテンドやスポットの提案などを行う
BluePrintという自社のOEMODMサービスとの連携を行い、アパレルラインのサプライヤーからサンプルを頂き
実際に印刷や施工に使用できるのか確認、現地の協力スタッフによって低ロットの交渉や別注可能な範囲の確認を行う事により
アパレルラインの無地ボディ(アパレルブランドの施工を前提として作られている素体)の仕入れを行い
高クオリティの制作を望むクライアント様への対応が出来る体制を強めています。
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次回では
どうすればアパレル業向けのボディやファッション向けの素体ボディでオリジナルウェアを制作することが出来るのかや、
その際のオーダーの注意点についてブログを書こうと思います。