2026/04/07 16:10
アート と デザイン の違いや
アーティスト と デザイナー の違い
他業種の方にとってはイラストレーターとデザイナーの違いなどにも
「あまりピンとは来ない」と思うので
それを前提に、
アパレルなどのアイテム制作に使用する為の2Dデザインを考える時の
専業のデザイナーが どういう段取りでデザインを考えていくのかをまとめてみました。

デザインは生地と機材を決めてから考えるので、今回は下記で想定を立ててみます

『オンス=厚み』ではありません オンスは質量です。
オンスが高い物はそれだけ原材料を使用しているので価格も上がってきますが
オンスが高ければ良いウェアか? といえば、そういう訳でもないのが難しい所です。
制作側から見て、質の良いウェアは
①製糸がしっかりされている糸を使っている
②生地の目がしっかりと隙間なく、綺麗に揃った生地になっている
③型がちゃんとファッション向けになっている
等が判断基準になっていますが、
そういったハイエンドな衣類はTシャツだけでも1枚5000円やそれ以上の価格帯を越えてくるので一般的なオーダーの中ではあまり出ることは有りません。
そう考えると、ロスアパの6.5ozは オンスは通常のTシャツより若干高めですが
出荷前に何回も洗濯されているのに生地が壊れていないのが信頼できる処だなと感じます。
※オープンエンド糸 シャリ感 タフな〇〇オンス といったブランクでも1回の洗濯で
とんでもなく縮んだり ヨレたりするものもあります。

※例えば
ガーメントはポリには不向きですし、昇華はコットンには不向きです
先にグラフィックデザインを作ってしまって 実際に施工するのがナイロンの生地だった場合、まず間違いなくグラフィックデザインは施工に使えません(せいぜい紙に印刷した物を貼り付けるのみ)
上記の通り印刷方法によって施工可能な生地の種類は断定されていくので
印刷方法を決める = 使用可能な生地も決まる
という事になります。
なので、最初に印刷方法(生地)を決定させます。
そうすれば、どういうデザインを作って良いのか どんなデザインを作っては行けないのか方向性が絞られます。

例えば、
紙への印刷では綺麗に出るデザインも衣類への印刷では全く印刷で再現できない場合が多々あります。
なら、紙の印刷くらい高精度で印刷すれば良いじゃないか となると、印刷コストはガンと1段階上がります。
高額コストを出せる予算のある案件であれば問題はありませんが
コストも抑えなければならない案件の時に、制作コストが跳ね上がるようなデザインを作ってしまっては本末転倒です。
上記の様に最初に何の条件も定めずにデザインを作ってしまうと、
後になってから
「このデザインじゃ今回の印刷には使えないよ」
「この生地にはそのデザインは乗らないよ」
という問題が出てきてしまうので、最初に何をどう作るのかをしっかり前提を決めています。

アート作品としてのグラフィックであれば、そこに制限やルールはありません
何もかも自由な表現と形状を盛り込むことが出来ます。
しかし、デザインの場合には
この表現を入れたいけど・・ → 制作が出来なくなる
この形状を入れたいけど・・ → 製作費が跳ね上がる
といった、制作可能な条件から外れないように校正を計算して作っていかなければなりません。
※例えば、
60枚のTシャツを刷るのにシルクスクリーン印刷を想定していたのに
普通のシルクで刷れないような表現や形状が入ったデザインにしてしまった場合
それは超ハイメッシュでのシルク刷りでなければ印刷できない物となるので
結果として制作コストは跳ね上がってしまいます。
デザインは常に
コストを上げない表現 制作可能な形状 を守らなければなりません。
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量産するわけでも無い物や、サンプルといて1枚だけ作ってイメージを見たい
という場合には初期費用をかける訳にはいかないので、1枚からの施工が可能な印刷方法を選択する必要があります。


同じ画像でも、光の色で見ている時と インクとして出した時には これだけの色の違いが生まれます
作業中はRGBモードで編集をかけて、最後の仕上げの時にCMYKモードにして
最終調整をしていくのが一般的だと思います。
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ここまでがデザイン制作に入るまでの前提です
実際にデザイン制作を行っていきます。
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背中用のデザインを作っていくので フォトショのカンパスはこれくらいでOKです
※これ以上の超解像度でグラフィックを作っても、アパレル用の印刷機材の出力は紙の写真集やカタログを印刷するような超高解像度出力の物はありません(唯一DTFや転写紙は近い物がありますが、それは紙に印刷した物を生地に貼り付けるのと同じ物なので今回は使う機材では有りません。)
BANANA PRINTの運営会社が クラフトビールの小売店もやっているので
今回は ビールに絡んだデザインのウェアを作っていこうと思います。

①

まず、コラージュや画像もの デザイン全般においてですが
著作権保護の有無は気にしないとなりません。
一般的に「 販売用では無い物であれば著作権は関係ない 」と思われがちですが
実際には制作に使用してしまった時点で著作権侵害には該当してしまっています。
※訴訟を起こされないのは単純にスルーしてもらっているだけの状態
販売用でなくても、
それを使って広告や宣伝に繋がるような動画や画像を使用していた場合は普通にアウトです。
サンプリングを行う場合にもまんま遣いはほぼアウトです。
サンプリングアートだと100人中100人が理解できる程度までの改変を加えないと中々厳しい時代にはなっています。配慮やレッドラインは気を付けていきましょう。
②

こらへんは基本的にピクセル編集なので、基本的に自由です 好きに作っていいと思います。
③

ここらへんから少しややこしいです。 ピクセル編集はフォトショで行っていますが
ベクターデザイン(ベタ塗りのデザインの方)は、イラレで編集をかけたものに
もう一度フォトショに入れなおしています。
※フォトショップ上でベクターデザインを作ったり、文字を打ち込んでしまうと どうもエッジのボヤけが強くなるように感じている為
④

これは今回インクジェットでの施工が前提なのでノイズやスクラッチをエフェクトとしてかけています
インクジェットで印刷にかけると仕上がりが非常にベターーーっとした風合いで印刷されてきます。
特に白インクを使う濃色生地への印刷の場合は、そのベタ感が非常に気持ち悪くなったりするので
先にノイズやスクラッチなどの歪みを入れておくと、仕上がりがまろやかになる と感じています。
ベタ塗り系のデザインではなく、今回のようなフォト主体のグラフィックやRAPTeeみたいなデザインの時には
下ごしらえ的にこういった処理を入れたりあします。
ただし、これだけ小さなノイズは印刷機でも拾わないので そこまで意味はないのですが
ベターーーーっとした仕上がりを避けたい時には気休め程度に入れています。


施工に使うPNG画像を最後に吐き出す時に白情報が入った画像だと
見ているグラフィックと実際の仕上がりで全然違うように印刷されてしまう時があります。
※特にボカシやグラデーション表現が入ったグラフィック
なので、アクションなどで画像内部から白情報を抜くようなアクションを入れておくと
淡色印刷の時に事故を減らせます。