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アパレルやグッズ向けのデザインを考える上で

2026/02/28 16:04

BANANA PRINTでは一般の方や企業様に向けてデザイン制作やデータ作成のご相談もお受けしていますが

なぜ、そのようなサービスを行っているかというと
「デザインは専門知識をもって制作しないと、まるで使い物にならない」
という実務ベースでの問題が発生する為です。

web表示や名刺や看板に印刷するのであれば、正直デザインの物理的な整合性はそこまで問われません。

これはDTPやwebデザインは簡単 という事では無く、衣類で再現できるデザインは極端に条件が厳しいという物理的な問題です。

紙媒体への超解像度のプリンターのスペックとアパレル向けのプリンターの出力のスペックがまるで違います

それなら、超解像度のプリンターを開発すればいいじゃないか と思う方もいるかも知れません

しかし、
仮に紙への印刷と同じスペックで印刷できる衣類用のプリンターが発明されたとしても
全く同じデータ、全く同じスペックで印刷をしたとしても
紙と衣類では 紙の様に綺麗な印刷は施工されません。

なぜかというと 
光沢紙は光を取り込んで明度を高く出せて極限までホワイトかつスーパーフラットな表面ですが
衣類に関しては表面がホワイトでもなければフラットでもなく、生地の表面は網目状でデコボコです
どれだけ高解像度の印刷をかけても 印刷する対象自体がこれでは意味が無い という物理的な問題があります。

この『物理的な限界』というのがアパレル向けの2Dデザインにルールや条件が生じるネックとなっています。

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グラフィックアーティストの方やイラストレーターの方やクリエイターの方など
自身でデザインを入稿をされる方は これまでグッズ制作の時に

「どうして自分の作品は毎回いまいちな物になってしまうのか・・」

仕上がりが変になったり
希望の施工を伝えても「不可」と言われてしまったり
異常に高い見積もりを返されてしまう・・

と頭を悩ませている場面を経験上、良く見聞きします。

・フォト系の作家さんだと転写紙印刷でのTシャツにベタっと紙を貼ったような物ばかりになってしまう
・漫画系の作家さんだとアクキーかクリアファイルなどのUVプリントグッズばかりになってしまう 
という現象に偏っていってしまいます。

これは、施工に使用する2Dデザインと  紙への印刷などに使う2Dグラフィックは似ているようで
用途や校正が全く違う「デザインルール」による問題が原因になっています


分かりやすい例として、 ハイブランドが一斉にロゴを変えた理由を考えてみます
※筆者の独断による考察ではあるものの、制作側からすれば明白な理由になっています


一見して分かるのは、 
昔のロゴの方がアーティスティックで個性的な物が多いです
変更後のロゴはどこも同じようなロゴになってしまっていることが分かります。

アーティストや批評家の方などは この一斉のロゴ変更が続いた時期に
「停滞した売上を変える為に伝統を破った」「新しいアートの表現に入った」という考察がされていましたが

プロダクトデザイナーから見ると理由は一目瞭然で

「グラフィックデザインをプロダクトデザインに変えた」と理解できます。


日本で人気なハイブランドも実は売上低迷の時期があり縮小の傾向にありました。

世界的に経済も低迷していたこともあり、ラグジュアリーなドレスやジュエリーだけでは
売上が出せなくなってきていたという状況で
おそらく最初の皮切りはヴェルサーチが2013~14年あたりからストリート系のカジュアル路線の顧客を取り込んだことによっての売上回復が大きな転機になったと記憶しています。
そこを境にグッチ、ディオール、その他の競合同士のハイブランドは、よりカジュアルなウェアやグッズを大量に販売するようになっていき
この頃から上流階級向けの戦略ではなくカジュアル層やストリート路線の顧客を取り込む戦略に転換があったように思います。


その時期にハイブランドのロゴが一斉に変わっていったのは
『ロゴを変えなければアパレル展開が出来ない』という物理的な問題に直面したと思われます。

旧ロゴはグラフィックデザインだったロゴを → プロダクトデザインのロゴに変更をせざるを得なかった

というのが、制作をメインとしているプロダクトデザイナーは理解していました。

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かつてのハイブランドは コレクション用のドレスや貴金属やバッグが中心
またはオートクチュールでアート作品を受注で制作する というようなスタンスだったと認識しています。

つまりカジュアルウェアのように量産でロゴ刺繍したり袖口に印刷したりという使い方はほぼしておらず
基本的には包装紙や包装箱への印字や、ロゴの金型を使うといった用途に限定されていました。
なので、ブランドロゴがグラフィックロゴでも差して問題はなかったのですが
カジュアル路線に切り替えるには、様々なパターンの施工やデザインでの制作が必要になります
その時に、グラフィックデザインのロゴでは 何も作れない という問題に突き当ったと推測できます。

↓実際にどういう問題が生じたのか推測は容易です↓



上記の様に、グラフィックデザインの校正を基準にしたフォントやロゴを
アパレル用のデザインを落とし込んだ時に
細微な表現やディテールが入ったグラフィックでは
「大きなサイズでの施工を行わなければロゴが壊れてしまう」という物理的な限界が発生します。

無理に限界を越えた小さなサイズでロゴを入れようとすれば 
ロゴがグチャグチャに潰れたり カスれたり 歪んだり

ブランドロゴがバリューとなるハイブランドとしては、自社ロゴが歪んでいる商品を販売する事は絶対に許されません。

しかし、現実問題として今までのロゴには実制作上の問題が多すぎたため
カジュアル路線のウェアを生産していくためにはロゴ自体の変更をしなければならなかった
という流れが見て取れます。

もう一度、旧ロゴを見てましょう


改めて旧ロゴを見てい見ると、個性的で美しいロゴではあるものの、
その殆どがアパレル施工には不向きな形状や表現のデザインばかりです。
つまり、箱や紙に印刷するには問題なかったが、ウェアそのものに施工するには使えないデザインだった
というのが ハイブランドが一斉にロゴ変更をしなければならなかった理由だと分かります。

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このブログで何を伝えたいか

若い方で、アパレル用の2Dデザインを制作したい!という方が増えたのは嬉しいのですが
いかんせん、ルールや条件が難しく諦めてしまう方が多いのが実情です。

「え?ウェア用のデザインを作るのって、こんなにルールや縛りがあるの?」
「自由な表現ができないなら自分の作家性が表現できない」
という理由で諦めてしまう方も多いのですが
BANANAとしてはアパレル向けの2Dデザイナーが増えてくれればうれしいです。

自身でデザインを作成して入稿されるクリエイターの方は
実制作や実施工を前提で作る物の場合は
グラフィックデザインとしての校正では無く
プロダクトデザインベースで校正を付ける癖を付けていけば
より、自分の理想に近づけたり、希望のコスト範囲に合わせたデザインを作れるようになったり
作れる物の幅や クオリティの幅も広がっていくと思うので
何か分からないことがあった時には気軽にスタッフに聞いてもらえばと思います🍌


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